Non-Equilibrium Materials Research Laboratory, IMR, Tohoku University
加藤研究室|東北大学金属材料研究所 非平衡物質工学研究部門

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ご挨拶

本研究部門では、新たな社会基盤材料として注目されている金属ガラスやその複合材料に関する総合的研究を行っています。 金属ガラスとは、過冷却液体状態を急冷または徐冷することによって凍結した非結晶質合金です。原子配列に長範囲規則 性が無いという特徴に起因して、結晶質合金に比べて優れた機械的性質、耐食性、軟磁気特性を発現します。何より加熱過程 において融点下、約60%のガラス遷移温度から過冷却液体状態が再出現し、金属ガラスは合金であるにも拘わらず“ガラス細 工” や“プラスチック成型” のように大きく、精密かつ繊細な成型を低加工力で施せることが、結晶質合金には決して真似するこ とのできない最大の魅力です。金属ガラスの過冷却液体の安定化機構を解明し、ガラス構造に起因して生じる構造および応力 緩和機構を本質的に理解することによって、新規金属ガラスおよびその複合材料の創製と物性解明、さらには金属ガラスの加 工技術を確立する研究を行っています。最近では、金属ガラスの過冷却液体状態におけるインプリント加工を 利用して、大面積および高アスペクト比のX線イメージング用回折格子を短時間で精密に作製する技術を確立しました。本技 術は、医療産業分野で利用されている画像診断において、画像鮮明化や低コスト化に貢献することが期待されています。 また、金属ガラスの合金設計や、その場反応法による金属ガラス複合化の研究において蓄積してきた知見を基にして、独自 技術である金属溶湯中デアロイング法を開発しました。本技術は、原子間の相互作用を利用して、金属溶 湯中(C)で前駆合金(A-B)から特定の元素(B)を選択的に取り除き、目的とする元素(A)のナノポーラス構造を自己組織化する手 法であり、従来は作製不可能であったチタン、ニオブ、鉄合金、シリコン、炭素等の卑金属群の三次元ナノポーラス化に成功し ています。この技術で作製したナノポーラスシリコンは現行の黒鉛に比べて約3倍の重量換算容量を1500回以上も維持するリ チウムイオン二次電池負極として応用可能であり、ナノポーラスニオブは従来の焼結ニオブに比べて重量換算で3倍の静電容量 を有する電解キャパシタへの応用が期待されるなど、卓越した機能を発揮する新規エネルギー材料を創製し続けています。 

学生の方へ

東北大学大学院工学研究科マテリアル開発系知能デバイス材料学専攻/協力講座「ナノ構造物質工学講座」

金属材料における過冷却液体の安定化機構を解明し,ガラス構造に起因して生じる構造・応力緩和機構や,大過冷却液体中のナノ結晶化機構を本質的に理解することによって, 加工成形性に優れる新たなバルク金属ガラス,および,その複合材料を用いた新材料開発を目指す。 また,新たに提案した金属溶融体を用いた脱成分原理に基づき,これまで作製できなかった新たなナノ多孔質材料の開発を進め,その諸機能材料としての実用化を目指す。工学研究科の協力講座となっています。大学院入試の合格を経て配属される必要があります。

東北大学大学院医工学研究科生体材料学講座「医用金属構造形態制御学」

金属材料の構造およびその形態を,冶金学に基づくプロセスを用いて制御することにより, 生体適合性・生体機能性に優れる新しい医用金属材料の開発を目指す。 急冷凝固法等の非平衡プロセスを用いたナノ構造・非晶質化によって構造を制御し,新奇な機械的特性を呈する新しい医用金属を見出す。 また,脱成分法等の改質プロセスを用いた無毒・多孔質表面化によって表面形態を制御し,既存または最新医用金属材料の更なる生体適合性の改善に貢献する。医工学研究科の協力講座となっています。大学院入試の合格を経て配属される必要があります。

研究所等研究生

学位を得ることは出来ませんが、研究指導を開始時期、終了時期などを、指導教員の合意の元に、比較的自由に設定することが出来ます。 社会人や外国人も対象になります。学術交流協定締結校からの留学生は、交換留学生として授業料などが免除される場合もあります。

企業の方へ

企業との共同研究や技術指導などを受け入れています。民間企業との共同研究、共同研究講座・共同研究部門、受託研究、学術指導、受託研究員などがあります。詳細は東北大学産学連携機構のウェブサイトをご覧ください。
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